シッポゴケ目 
  葉が細長くて、1本の茎全体が動物の尻尾のようになる仲間。5科がある。 
  この目の中心となるのはシッポゴケ科で、他の4科は、「シッポゴケ科に比べると、
これこれの点で異なる」と考えると理解し易い。保育社の原色日本蘚苔類図鑑の、
カラー図版のところで、同じ科のものをマークしながら、比べてみて下さい。 
 
 ここがポイント:特徴のはっきりした仲間をまずは覚えましょう。
エビゴケ科シラガゴケ科は、見た目も葉の形態も他の3科と異なり特徴的で
 わかり易い。
キヌシッポゴケ科は、微小で、特殊な岩上に生育するため、見つけることが困難な
 種が多い。初心者は無視してもいいかも。
 キヌシッポゴケ科は、他の4科とはさく歯の形態がやや異なり、ギボウシゴケ目に
 より近い別の目(または亜目)とすることもあるので要注意!です。
キンシゴケ科とシッポゴケ科の区別を述べるのは難しい。傾向として、
 キンシゴケ科は、シッポゴケ科よりも植物体がやや小さく、また、さくが、シッポ
 ゴケ科では斜めに曲がるのに対して、円筒状であまり曲がらず、直立することが
 多い。
シッポゴケ目の科
(属と種の数)
生育地 主な特徴
1 キンシゴケ科
   (8属18種)
日当たりのよい土上に生育することが多い 植物体が小さく、葉尖がぼう状に伸び、さくは円筒状になるものが多い
2 エビゴケ科
   (1属1種)
岩壁から垂れ下がって生育する 葉は2列で平坦、包葉の先端がぼう状に長く伸び、エビのひげのように見える
3 キヌシッポゴケ
  科 (3属10種)
岩壁(石灰岩、火山岩)に生育する【稀】 植物体が肉眼では判別が難しいほど微小(コシッポゴケを除く)
4 シッポゴケ科
  (24属85種)
林床の湿った土、腐植土や腐木上。岩や樹幹上にも生育 細長く伸びた葉が一方向に湾曲し、動物の尾のようになることが多い
5 シラガゴケ科
  (1属7種)
林床の腐植土や腐木、樹幹基部に群生する 葉は多層で、植物体は白っぽくなる